私は30代までは健康に自信があり、寝不足が続いても平気でした。食事も野菜が嫌いで、肉さえあれば良いという状態でした。保険の担当者から契約の見直しを提案され、健康診断を受けたところ、医師の診断を勧められました。血糖値がA1cで11を超えており、「このままでは目がつぶれますよ!」と告げられました。
薬と運動、そして食事を見直すことで血糖値を下げる努力をしました。医師からは「体重を7kgは減らしなさい!」という指示を受け、人生で初めてダイエットを真剣に考えるようになりました。
今もその体重は維持できていますが、今後も無理なく体重をコントロールするためにも、無理のない食べ方の工夫からのダイエットを紹介します。


痩せるためには「太る仕組み」を理解しよう
「痩せる仕組み」を作るため、太る素を断つ6箇条
- 血糖値を急激に上げる食材・食品を摂る回数を減らす
- 低カロリーの食材を活用する
- 身体を温める食材・食品を活用する
- 酢やスパイス、薬味を塩やしょう油に変えて使う
- 噛み応えのある食材・しょう油を取り入れる
- 脂質を落としてカロリーカット
人が食事を摂ると、食べ物に含まれるブドウ糖が体内に吸収されます。ブドウ糖は栄養素の中でも最も重要なエネルギー源ですが、過剰に摂り過ぎると血液中のブドウ糖の量が余ってしまい、血糖値の上昇を引き起こします。
つまり、ブドウ糖が多く含まれる食品や、吸収されやすい形でブドウ糖を含む食品は急激な血糖値の上昇に結び付きます。さらに、この余ったブドウ糖は体外には排出されず、脂肪として体内に貯めこまれ、結果的に「太る」という訳です。
この急激に血糖値を上昇させる食品の代表がケーキやご飯、パンといった炭水化物の多い食品です。
GI値(グリセミック指数)
この状況を回避するためには、「血糖値を急激に上げない食品」を多く食べるようにすればよいということです。
この目安となるのが「GI値(グリセミック指数)」です。一般的にGI値の低い食品は、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できる食品と言われています。逆にGI値の高い食品は、血糖値を急激に上げてしまうことになります。
以下の表は各食品のGI値の目安です。各食品とも調理法によってGI値は変化しますので、あくまでも目安として参考にしてください。
納豆は健康維持に最高の食材といわれているのに、意外とカロリーが高いことは意外です。このことからも、ダイエットや健康維持のためにカロリーの値だけに注目するのは、けっして正しいことではありません。
GI値60以上は血糖値を急激に上げる太りやすい食品・食材です。覚え方としては、「炭水化物の多くと砂糖は60を超える」「魚介類と野菜類(イモ類以外)、果物、乳製品は超えない」です。
一方、活性酸素を退治する最強野菜の人参は85もありますが、ほかの野菜と組み合わせたり、油と一緒に撮れば問題ありません。
長期的なダイエットのためのGI値を意識した食事の工夫
<主食のおすすめはコレ!>
玄米
ご飯やパン、麺類などの穀類はGI値が80以上と高いのですが、玄米は55と主食の中でも低い食品です。食物繊維を多く含み、代謝を良くするビタミンB群やミネラルも豊富に含まれています。
そば
そばは小麦粉の割合でGI値が異なってきます。小麦粉はGI値が高いため、そば粉の割合が高い十割そばがおすすめです。
市販の乾麺のそばを選ぶ時は原材料名の欄が小麦粉ではなく、そば粉から始まっているものを選びましょう(原材料名は、含まれている量が多い食品順に記載されています)。
全粒粉を使ったパスタ、パン
小麦粉を使ったパンや麺はご飯よりもGI値が高いのですが、全粒粉を使ったものになるとGI値は50程度になります。食物繊維がたっぷりでかみ応えもあるので満足感にもつながります。
注意したいのは「GI値が低い(血糖値を上げにくい)=カロリーが低いというわけではない」ということです。GI値が低いからといって主食の食べ過ぎは禁物です。
<低GIな野菜、中でもおすすめはコレ!>
野菜はほとんどがGI値30以下の低GI食品です。中でもホウレン草、チンゲン菜、小松菜、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や食物繊維が豊富なキノコ類がおすすめ。
緑黄色野菜は栄養価が高く、抗酸化作用も期待できるので、体を若々しく保つのに役立ちます。代謝や免疫力のアップも期待できます。
キノコ類は低カロリーなので、たくさん食べたい時のかさ増しや、夜遅くなった時の1品に使うのもいいですね。ダイエット中の方は積極的に取りたい食品です。
<3時のおやつも諦めない!お菓子のおすすめはコレ!>
おやつに食べるならフルーツヨーグルト、ナッツ類がおすすめです。フルーツの中でもイチゴ、かんきつ類、キウイ、ブルーベリー、梨はGI値が特に低い食品です。
缶詰やジャム、ジュースに加工されているものは、GI値が一気に高くなってしまうので、フレッシュなもので皮が食べられるものは皮ごと食べるようにしましょう。
プレーンヨーグルトも低GI食品なので、合わせて食べればボリュームもアップして満足感が得られやすくなります。寒天やゼリーはGI値が低いので、甘いものが欲しくなったらこちらもおすすめです。
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「痩せる」ための食べ方や工夫
<満腹感を得て食べ過ぎ防止>
よく噛まなければならない食材
食べ過ぎを防ぐ最も簡単で効果的な方法は良く噛むことです。しかし、よく噛むことは意識しないとできないことなので、よく噛まなければならないタコ、イカは満腹感を得るのは効果的です。
手間がかかる食材
食べるのに手間のかかることで脳は「満腹感」を感じます。魚1尾丸ごと、骨付き鶏手羽肉、殻付きエビはボリュームもあるので満腹感が得られます。
<「痩せ効果」をグンと上げられる冷やご飯>
ダイエットには、冷やご飯
温かいご飯が冷めると「レジスタントスターチ」という消化・吸収されないでんぷんができます。このでんぷんは消化・吸収されず大腸まで辿りつき、毒素やコレステロールなどを包み込んで便として排泄されます。
朝は温かいご飯、昼は弁当で冷めたご飯が効果的です。
<酢や薬味を使うことでしょう油や塩を抑える>
和食は健康的ですが、塩分の摂りすぎだといわれています。ミネラルの含まれた天然塩は有効ですが、精製塩は摂り過ぎに注意が必要です。
しょう油、塩、マヨネーズ、ソース、ドレッシングなど、塩分の含まれた調味料を習慣的に使っています。
これを抑えるには、酢やニンニク、シソなどの薬味、いろいろなスパイスを使ってみましょう。
<「ビタミンB群」を摂ることで「痩せ効果」を高める>
太る素の糖質と脂質は、一緒に摂る食材次第で、効率よくエネルギーとなって燃えます。ご飯などの炭水化物は、ビタミンB1を豊富に含む紅鮭と一緒に食べると効果的です。
ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」と呼ばれているので、不足すると「疲労しやすい体」つまり、「太りやすい体」になってしまいます。
脂質はビタミンB2のサポートが必要なので、脂っこいものを食べ過ぎたらサバやイワシなどの青魚が効果的です。
ちょっとの食べ方の工夫があれば、ダイエットは苦しいものでなくなります。楽しく食べて「疲れにくい体」=「痩せやすい体」を作りましょう。気が付いたら「美しくスリムな体」を手に入れていることでしょう。頑張りましょう!
【参考資料】「まだ間に合う!40歳からの 食べても 食べても 太らない食べ方」
医師 土井里沙著