女性は男性よりも嗅覚がすぐれているようです。ですから、わたしは女性の多い場所にいるとき、常に自分が発する体臭に対する恐れを抱えながら過ごしています。加齢臭、頭皮の匂い、口臭・・・。あげたらきりがないほどです。
私自身が同性である周りの男性の体臭に辟易としてきました。毎朝風呂に入り、コロンをつけ、せめてもの対策は練っているのですが、効果のほどは定かではありません。
ところで、女性の79%は自分の体臭に対する悩みを抱えているようです。体臭は年齢や環境、ストレスによって大きな変化があることが分かっています。
体臭が気になって人前に出られない、人間関係が心配など、ただでさえストレスを多く抱えている人が多い現代なのに、体臭までストレス要因となってしまうのは大変なことです。
改善できるものは改善し、不安のない、爽快な気分で毎日を楽しんでいただきたいですね。
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気になる体臭の中で、ワキガが最も気になる。ワキガの原因は?
美容脱毛サロンミュゼの調査によれば、全国1,582名の16~40歳女性のうち、93%が「周囲の人の体臭が気になったことがある」と答えるほど、女性はニオイに敏感です。
また、自分の体臭に悩んだことがあるか聞いたところ、1番多かった回答が、「少し悩んでいる(42%)」でした。次いで「そこそこ(26%)」「悩んでいない(21%)」「かなり(11%)」と続き、体臭で悩んでいる女性は全体の79%もいました。
さらに、1年のなかでニオイが特に気になる季節は、「夏(93%)」で、特にニオイが気になるパーツについては、通年で「ワキ」という結果になりました。
気になる腋臭、匂いの原因は何
■作用の違う2つの汗腺
「ワキガ」は脇の汗から生成される悪臭物質によって引き起こされます。では、脇の下の汗にはどのような特徴があるのでしょうか。
ヒトの汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
エクリン腺
全身に広く分布する汗腺です。運動したときや暑いときに汗の分泌が盛んになり、主に体温を調節する作用があります。
アポクリン腺
脇の下や陰部、乳輪部など特定の部位に分布している汗腺です。毛穴の中に開口部があるため、毛穴内の老廃物や皮脂を多く含んだ粘り気のある汗を分泌します。緊張した時などに分泌が促され、元来はフェロモンとして作用していました。
脇の下にはアポクリン腺が多く分布しており、ことさら悪臭物質を生じやすいのです。
肥満=多汗=ワキ臭が強い、これはウソ!
一般的に、肥満体型の方は発汗量が多いことから、「太っている=汗かき=体臭が強そう」というイメージを持たれることがあります。しかし、肥満度(BMI値)とワキ臭強度の相関関係はありません。
さらに「汗のかきやすさ」や「発汗量」についても、ニオイ強度との相関は見られません。
ワキ臭はワキから分泌された汗に含まれる成分が皮膚常在菌に代謝されることによって発生しますが、この結果は、単純に「汗をかくほどニオイが強くなる」というわけではなく、汗中に含まれる成分や濃度や腋下での分解速度などが、ニオイ強度に影響していると考えられます。
「ワキガ」の原因は皮膚常在菌。臭いには個人差が
アポクリン腺から分泌された汗は皮脂や老廃物などを多く含むため、皮膚に常在している細菌は、アポクリン腺から分布される汗を餌にして増殖します。
細菌が皮脂や老廃物を分解すると様々な物質が生じ、中には不快な臭いを放つ「脂肪酸」などの物質が含まれることがあります。これが、「ワキガ」を引き起こす原因です。
9割の男性は「他人に感じられる程度」のワキ臭を持っている
一方、男性の3分の2は自分の体臭を気にしているという調査結果があります。
ワキ(55%)、足(43%)、頭皮(38%)、首筋(14%)の順でした。
「ワキのニオイの強さ」を6段階で評価したところ、10~60歳代の日本人男性118人うち、約4割が「強いワキ臭」以上(ニオイ強度4以上)のワキ臭を持つことがわかりました。
ニオイ強度4は、すれ違うときに他人にも感じられる程度の強さのニオイです。ニオイ強度3は、エレベーターや満員電車などの密接状態になると他人にも感じられる程度の強さで、ニオイ強度4以上と合わせると、9割が他人に感じられる程度のワキ臭を持っていることがわかりました。
また、ワキ臭の強度は10~30歳代で最も高く、30歳代以降は減少する傾向にあります。しかし、一方で同世代でも個人差が大きいと言えます。
>「ワキガ」かどうか、チェックする方法
「ワキガ」の原因となる物質の臭いは、硫黄臭・酢のような臭い・スパイスのような臭い・古い雑巾のような臭い、など様々な表現されます。
「ワキガ」の元となる物質は多々あり、発生する物質の種類や量は人によって異なるため、当然ながら臭いにも個人差があります。
「ワキガ」の臭いがよく分からないという人は、タオルやガーゼを5分間脇に挟んで、その臭いをチェックしてみましょう。
上記のような臭いを感じた場合は、「ワキガ」の可能性があります。
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ワキ臭を抑える生活習慣
①リラックスしやすい環境を作る
ストレスがかかると、交感神経が優位に働きます。すると、暑くもないのに汗(冷や汗など)をかいてしまうことになります。これを精神性発汗といいます。ワキガの原因は汗にありますから、精神性発汗はニオイを抑える上で大敵。
緊張やストレスなど、交感神経が活発に働くような生活を改め、適度なストレス解消法を身に付けましょう。また、十分な睡眠や休息の確保も大切です。
②適度な運動習慣
頻繁に運動してこまめに汗をかくと、老廃物の排出を促すことができます。老廃物は細菌の繁殖にも関与するため、この量が減ると、ニオイを軽減できると考えられます。また、適度な運動はストレス発散にもつながります。
ただし、運動して発汗すると、どうしても一時的にワキガ臭が強くなることがあります。患部をしっかりと洗うことも欠かさないようにしましょう。
③和食中心の食生活を
肉をはじめとした高カロリー、高脂肪食の食品はワキガの原因になる可能性があります。牛乳やバターなど、乳脂肪分が豊富に含まれるものも該当します。
できれば同じたんぱく質でも大豆製品や魚を中心にした食生活を心がけましょう。
ワキ臭が気になる人の対処法
①汗パットを使用する
臭いの原因である汗をこまめに拭きとるように心がけましょう。
②腋毛の処理をする
腋に毛が生えていると、細菌の繁殖が活発になります。ニオイが気になるなら処理をするのがおすすめです。
③禁煙・節酒する
アルコールやニコチンは、摂取するとアポクリン汗腺の働きが活発になるので、控えた方がよいでしょう。また、アルコールやニコチン自体が強いニオイ成分でもあるので、体臭がきつくなる原因になります。
④殺菌剤や制汗剤を使用する
「殺菌剤」には、皮膚を酸性にして細菌の活動を抑制する効果があります。一方、「制汗剤」は、汗腺をブロックして発汗量を抑えます。ベビーパウダーにもワキの下の臭いを抑える効果があります。
夏本番を迎える前の今の時期に汗のケアに向かい合ってみましょう。外出自粛が元得られる今こそ、生活習慣を見直す良い機会です。
自粛明けにしたい計画をあれこれ立てながら、準備を進めていきましょう。