「中食」ブームの中、もう一度考えてみよう!
一昔前、家庭以外で食事をできるところといえばレストランや居酒屋など、食のバリエーションは限られていました。しかし、バブル崩壊とともにお金のかかる外食を控える傾向になり、少しでも安く・手間の少ない「中食」という文化が定着してきました。
2018年、おにぎりやお惣菜、お弁当などの「惣菜市場規模」は、10兆2,518億円で
9年連続で規模を拡大中
働く女性やひとり暮らしの増加など、わたしたちを取り巻く時代背景が変わったこともあり、デパ地下、スーパー、コンビニ、弁当屋を上手に活用する方も増加、冷凍食品もお店顔負けの味で勝負してきています。
こうした世の中の変化に伴い、各食品メーカーや流通各社も趣向を凝らした中食戦略を展開しています。今後も共働き家庭やひとり暮らしの若い人、高齢者が増えることでどんどん中食産業は進化していくのではないでしょうか。
しかし惣菜購入頻度の調査結果をみると、コロッケ・鶏のから揚げなどの揚げ物や、おにぎり・サンドイッチ・寿司など主食中心の購入頻度が高くなっています。味の濃い料理や脂肪を多く含む料理が多く、食塩や脂肪の摂取量の増加につながりやすいことには注意が必要です。
外食調理品は、そもそも不特定多数の人々に“満足してもらうこと”を目的につくって販売されています。そのため、どうしてもより多くの人が手にとりやすいような人気の高いメニューが多くなります。
揚げ物や肉料理が中心で、野菜は少なめ。味付けは、冷めてもおいしく食べられるように濃いめです。そしてボリュームは多め。結果、多くの人にとってカロリーの取りすぎとなり、個々人に合わせた栄養バランスが良い食事とはなりにくいのです。
安い、美味い、便利なインスタント食品の落とし穴


インスタント食品がカラダによくないと言われていながら、なんで食べたくなるんだろう?誰でも自問したことがありますよね。実は、その答えは食品添加物にあるのです。
例えば、美味しさを追求すると、必然的に油を大量使用しなければなりません。美味しさの素は実は油なのです。また、見栄えを良くしようとすると、着色料を使用します。見栄えが悪いと消費者受けしないからです。
さらに、コンビニなどで販売しようとすると、その商品が売れるまでの時間はバラバラになりますし、家庭での保存期間もバラバラになる為、保存料が使用されます。その他にも、香料、甘味料、香辛料など食品によって様々ですが、人工物が大量に使用されてしまいます。
つまり、人工調味料で味付けされたインスタント食品の味が我々の味覚を支配しており、現在は何の違和感も無く食べられています。と、同時に人工物をも体内にどんどん取り入れていることになります。
我々人類も動物の一種であり、本来動物は自然界に存在するものからバランスよく栄養分やエネルギーを摂取する生き物です。上記のように、自然界に存在するもの以外のものを大量に体内に取り入れると、拒否反応が様々な形(例えば、食物アレルギーなどの体質異常)で顕在化してきても何ら不思議ではないでしょう。
健康的な食事内容が人を幸せにする
「健康的な食事内容が人を幸せにする」──そんな研究レポートがアメリカの消費者情報誌『コンシューマー・リポート』に掲載されました。
同報告書をひもとくと、うつ状態の人は腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスが悪いことや、食物繊維の豊富な野菜を摂っている成人はうつ症状を起こしにくいこと、反対にソフトドリンクやインスタント食品など「超加工食品」を頻繁に摂っている人はそうでない人に比べ、33%うつ病リスクが高まることなど最新研究がデータとともに掲載されています。
つまり、何を食べるかは、体の健康はもちろん、心の状態にも影響することが明らかになったといえます。1日3食、どの食品をどのくらい食べるかは、文字通り死活問題なのです。
以前「女性セブン」誌は、これまで8回にわたってテーマ別に専門家に取材し、作成してきた「最強食品ランキング」のポイントを再集計しランキングを発表しました。
「自然治癒力」「血管力」「胃腸力」「疲労回復力」「肌力」「更年期障害」「内臓脂肪」「アンチエイジング」の項目に効果がある食品を専門家に選んでもらい、ポイント制で順位を決定。その結果を単純に合計することで「最強ランキング」を作成したのです。
【食べるべき最強食品ランキング】
第1位 納豆
第2位 ヨーグルト
第3位 いわし
第4位 豚肉
第5位 にんにく
第6位 キャベツ
第6位 トマト
第8位 さば
第9位 卵
第9位 鶏肉
◆総合ランキングの堂々1位に輝いたのは、納豆。
8項目中7項目でポイントを稼ぎ、総合点数で2位に2倍以上の大差をつけた食品は
”納豆” でした。管理栄養士の磯村優貴恵さんが王者の所以を解説しています。
「納豆は良質のたんぱく質をふんだんに含むうえ、納豆菌の力で腸内環境を整えることができます。さらに原料の大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするため、更年期障害の症状も緩和が期待できる。そのうえ、パックになっているので調理の手間がかからず、軟らかくて食べやすい。簡単に継続して取り入れられるのも大きな利点で、あらゆる意味で最強の万能食品だといえます」
腸内環境を整えることは、便秘や肌荒れを防ぐだけでなく、免疫力を上げる、肥満を予防するなど、さまざまな健康効果につながります。2位のヨーグルト、12位のみそと、上位に発酵食品が目立つのも納得の結果です。
・太りたくないと思っているのに、どうしても甘いものが止められない
・手作りの方が良いのはわかっていても、忙しくてできない
・食べ物のこと考えることが面倒くさい
食の悩みは様々ですが、根っこは食や自分の食べ方に向き合えていないこと!
食が変われば人生が変わる!
食のスペシャリストの小倉朋子さんのことばです。
先ずは、ランキングに入った食材を毎日の食事に取り入れて下さい!