病気に密接に関係する睡眠不足を軽んじてはいけない
米コロンビア大学が2005年に行った、ある興味深い調査結果があります。32~59歳の男女8000人を対象に調べたところ、平均7~9時間の睡眠時間の人に比べて、4時間以下の睡眠の人の肥満率は73%も高かったのです。
5時間睡眠の人でさえ、肥満率が50%も高いと報告されました。32歳から59歳というと働いていたり、子育てをしていたり、その両方であったりで、とにかく忙しいので気をつけていないと平気で5時間睡眠を切っちゃいますよね。
また、就労者の睡眠時間を比較した経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7.5時間程度で、先進国でも群を抜いて短いと言われています。
睡眠不足に悩まされている人は、気力も体力も思考能力も著しく低下してしまうのを実感しています。睡眠不足の影響はそれだけではありません。
睡眠不足が慢性化すると、空腹時血糖値が上昇し、基礎インスリン分泌能が低下するなど、メタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクが上昇するという調査結果もあります。
多くの人の場合、睡眠時間が7時間を切ると、睡眠の負債が発生しはじめます。早く返済すればさほど問題はありませんが、睡眠不足が続いているという人は、睡眠を改善するための対策をとるべきです。
寝なくても大丈夫!などと思って油断していると、心身の不調につながりやすいということが分かってきました。
睡眠不足が肥満や病気につながる理由
①「睡眠不足は「食欲を増やすグレリン」というホルモンが増加し、「満腹感を感じさせるレプチン」というホルモンの分泌が減る。が
キングス コレッジ ロンドンによる172人を対象とした別の研究では、睡眠不足の人は、1日の摂取カロリーが平均385kcal多くなるそうです。これは、カップ麺1杯分ほどの量に相当します。
睡眠不足になると、「食欲が旺盛になるだけでなく、満腹を感じにくくなる」という訳です。
消費エネルギーが低下し、食事摂取量の増加を招き、 肥満の原因になるのです。
②「睡眠不足は脳に疲労物質がたまり判断力が低下する」。
米スタンフォード大学が2004年に行った調査では、睡眠時間は食欲と関係していることがわかりました。8時間寝た人に比べて5時間しか寝ていない人は、食欲がわくホルモン「グレリン」の量が約15%多く、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の量が約15%低いという実験結果が出たのです。
中毒性のある砂糖(お菓子)や脂質(ジャンクフード)を習慣的に摂る人ほど、睡眠不足のときは余計に我慢しづらくなるということが分かっています。
③「睡眠不足が脂肪の燃焼を妨げる」と報告されています。
シカゴ大学の睡眠研究ラボで行われた実験により、睡眠不足でダイエットを行うと、脂肪ではなく健康的な生活に必要な身体の要素ばかり、ふるい落としているという実験結果もあります。
太りにくい体を作る睡眠時間とは
それでは、何時間寝たら太りにくくなるのでしょうか? 残念ながら「定説」はまだありませんが、ハーバード公衆衛生大学院が「7~8時間寝ている人に比べて、少ない睡眠時間の人は、より肥満になるリスクが高いというデータが多数ある」と公式に発表しています。
「7~8時間」がダイエットのベストな睡眠時間というのが今のところ研究者たちの大方の見方です。
「5時間以下の睡眠時間は、太りやすくなる」
「8時間以上の寝すぎも太る」という実験データも多数あります。
やせたい人はまず、「5時間以下の睡眠時間」と「寝すぎ」を積極的に避けるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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睡眠は健康生活の一番のベースです。
基本は早寝早起き。軽快に動ける体を作りましょう!