自分の身体の現実を受け入れる
年齢は誰もが等しく重ねて行きます。50代からは、体の様々な機能が衰え、老化が目に見えて進む時期です。自分の身体にきちんと注意を払うかどうかで、50代からの若さと健康は大きな差がつきます。
自分の身体に注意を払わないでいると、「加齢時計」の針はスピードを上げてどんどん進み、「歳相応の見た目」を追い越し、その差は開くばかりです。
日常の中で「簡単にできる体のケア」を習慣化するだけで、「加齢時計」の針は実年齢に戻り、針を逆向きに進ませて、グンと若返ることも夢ではありません。では、何をしたらよいのか?・・・もう少し50代を掘り下げていきましょう。
「何歳まで健康でいられるか」は50代で決まる
50代は、「老年期」に備えて新たな活力を養う、大事な時期。その過ごし方によって、天寿を全うするまでの数十年間の幸福度に、大きな違いが出てきます。
健康寿命・・・日常生活を大きく損ねる病気やケガがなく、「寝たきり」や介護を 必要とせず、天寿を全うするまで、自立して生活できる期間。平均寿命とは約10年の差があることが分かります。


50代の最大の敵は代謝の低下
50代の身体には、食生活の乱れや運動不足など、それまでの乱れた生活習慣のつけが、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病になって現れてきます。白髪や薄毛や脱毛、肌の荒れ、息切れ、動悸、関節痛など、様々な老化現象が現れたり進んだりします。
これらの主な原因は「代謝の低下」です。
代謝とは、食事で取り込んだ栄養素を効率よく消化・吸収したり、熱を生んで消費したり、血液、ホルモン、筋肉を作ったりする作用のことです。この代謝が低下すると老化が一気に進みます。
熱の産生・消費能力が衰え、血液の流れが悪くなります。吸収する力が弱くなり、取り込む酸素の量も少なくなるので、栄養素を吸収しても、それが十分に生かされないという事態が起こります。
病気にならないための生活習慣
生活習慣病の予防は、運動習慣や食生活、疲労、喫煙、飲酒など毎日の生活習慣を見直すことから始まります。以下に生活習慣病予防に大切なポイントを紹介しますので、ぜひお役立てください。
①適正体重の維持
あなたのBMIを測定し、肥満度22を維持しましょう。
BMIとは体重と身長の関係から算出した、人の肥満度を表す指数です。
BMI=体重(Kg) ÷ 身長(m)× 身長(m)
②脂肪の摂りすぎに注意
脂肪は体のエネルギー源として、体内に備蓄される大切な栄養素です。しかし脂肪
の摂りすぎは肥満の原因になり、体に悪影響を及ぼすことがあります。
③野菜の摂取量の増加
野菜に含まれる食物繊維は、満腹感を与えるので食べ過ぎを防ぎます。野菜を1日に
350g以上摂りましょう。
④1日3食、規則正しく食べる
食事の回数を減らしたり、間隔があきすぎると、エネルギーをためこもうとして太り
やすい体になります。
⑤日常生活の歩数の増加
日常生活のなかで積極的に体を動かしましょう。成人男性で1日9200歩以上
70歳以上男性で6700歩以上。成人女性で8300歩以上、70歳以上女性で5900歩以上
⑥運動習慣をつける
自分に合った運動を見つけて、運動を継続しましょう。無理は厳禁です。
⑦睡眠をとる
睡眠不足は、疲労感をもたらし情緒を不安定にし、適切な判断力を鈍らせるなど生
活の質に大きく影響します。睡眠不足の時は睡眠をとり休養しましょう。
⑧禁煙する
喫煙は血管を収縮させ血流を悪くし、血圧を上げて血管に負担をかけます。また血液
中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を促進するため、心筋梗塞や狭心症など
の虚血性心疾患にかかる危険性が高まります。
⑨お酒は適量を守る
アルコールの害を防ぐ適度な飲酒量は、1日あたり純アルコールで約20g程度と言わ
れています。また週に2日は休肝日をつくり、肝臓の負担を減らしましょう。
⑩歯を大切にする
食事を摂るには健康な歯が欠かせません。歯が抜ける原因の約9割は虫歯と歯周病で
す。歯周病は、食生活や喫煙、歯磨き習慣などと深い関係があり、生活習慣病の1つ
とされています。歯周病を防ぐにはまず生活習慣の改善が必要です。歯周病を悪化さ
せる歯石は、定期的に歯医者で除去しましょう。
⑪自然のリズムに合わせて生活をする
季節の変化に合わせて旬の物を食べ、昼夜の変化に従って寝起きしましょう。また寒
暑に合わせて衣服を増減しましょう。